50歳からのアニメ

国際化したアニメを昭和世代から再評価してみます。

今日見たアニメ(四月は君の嘘 最終話)ネタバレ有り。

最終話 春風

コンクールのピアノの演奏中、
最初、会場内の照明やピアノの無機質(メカニカル)さが強調されている。
曲が進むに従って、会場が青空に、
そして白い雪が舞い、
明るい表情のかをりが現れ、公生のピアノとバイオリンの協奏曲を奏で始める。
明るいかをりの表情とは対照的な公生の辛い表情。
いつしか雪がカラフルに色づきはじめている。
ピアノに映る青空の描写。
景色が夕暮れに変わっていく。

「僕を置いていかないで」

かをりが消え、公生がピアノを弾き終える。
涙を大量に流しながら、公生が心の中で静かにそして絞り出すように叫ぶ。

「さよなら」

かをりの墓前でかをりからの手紙を渡される公生。
手紙にはかをりが公生に寄せていた想いが綴られている。
かをりは5才の時から公生に片思いだったこと。
中学で思いがけず出会えてどうやって近づこうかと考えていたこと。
公生との思い出の描写が続く......

「私は君の心に住めたかな?」---「土足で上がってきたよ」
「ちょっとでも私のこと思い出してくれるかな」---「忘れたら化けてでてくるくせに」
「リセットなんかイヤだよ」---「するもんか」
「忘れないでね」---「うん」
「約束したからね」---「うん」
「やっぱり君で良かった。届くかな。届くといいな。有馬公正君」
「君が好きです」
・・・いっぱい、いっぱい、ごめんね・・・ありがとう

もうすぐ春が来る。
君と出会った春が来る。
君のいない春が来る。

大切な人を失ったときの喪失感は大きい。
特に思春期の子供には大きな影響を与えてしまい、長い間、尾を引くのだが、
音楽が、
手紙が、
友人が、
公生を支えて、その喪失感を薄めてくれている。

デフォルメしていない目、唇、眉や頭の微妙な動きだけで感情を表現している。
声優の声のトーンが感情を表現している。

P.S.私の宝物を同封します。
いらなかったら破って捨てて下さい。

5才のかをりが友人と一緒に取った写真。
公生が後ろを通り過ぎている。かおりと公生のファーストコンタクト...

写真は公生のピアノの上に飾られる。
fin.

各国語に翻訳して全世界に発信して欲しいくらいに気に入った作品です。
原作マンガの表現力もすごいのですが、アニメの演出や表現力にも素晴らしいものを感じました。
これから暫くイシグロキョウヘイ監督さんと愛敬由紀子さんが手がけた作品をトレースしてみようと考えています。

www.kimiuso.jp