50歳からのアニメ

国際化したアニメを昭和世代から再評価してみます。

「スキップ・ビート! 第43巻」を読む(ネタばれ有り)

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「スキップ・ビート」は花とゆめから刊行されている仲村佳樹先生の人気作品で、私も全巻所有しているし過去のブログでも何度か紹介してきたつもりだったが、過去ログを検索しても引っかからない......おかしい。
アニメは2008年10月から2009年3月にかけて全25話が放送され、尻切れトンボ風に終わっているので続編がでることを期待しているふうなコメントを書いた記憶がハッキリあるのだが、ボケが始まったのだろうか?fear!!!
とにかくお気に入りの作品で新作がでるとすぐに買って読むので、今回も昨夜発行されているのを見つけて購入し、今朝読み終えた。
今回は第39巻から続く主人公「最上京子(もがみきょうこ)」タレント名「キョーコ」が「泥中の蓮(でいちゅうのはちず)」という時代劇のくノ一役を、やり直しオーディションを受けて役を獲得するまでのお話し。
第39巻から紅葉役を中心にしたダイジェストを記載する。


☆ ☆ ☆ ☆
以下ネタばれ有り。


第39巻の前半では、自分の出生の秘密を弁護士の母から聞き出し、母と和解する切っ掛けを作り出したキョーコ。
親友で同じラブミー部員でもある「琴南奏江(ことなみ かなえ)」が武家の娘「千鳥(ちどり)」役のオーディションを受けている泥中の蓮で、重要な役どころ(恋のライバル)となるくノ一「紅葉(もみじ)」役が怪我をしたことによって再びオーディションをやることになり、奏江と同じドラマに出たい一心でそのオーディションを受けることにしたキョーコ。

第40巻では原作小説を読み、役作りのため、奏江に恋している飛應君の伝手を頼って、飛應くんのおじいさん虎徹から殺陣のレッスンを受けることになる。
ラブミー部員3号の天宮千織(あまみやちおり)のマネージャーのお見舞いで行った病院で紅葉役をやるはずだった「高園寺絵梨花(こうえんじえりか)」に出会う。
梨花車いすに乗り、以前、奏江の自称ライバルとして醸し出していた金持ちの高慢さも破棄も感じられない変わり果てた姿となっていた。
彼女のおつきから紅葉役を不当に奪われた事に対する「恨みを晴らして欲しい」という依頼を受ける。
役を奪ったのは「森住仁子(もりずみきみこ)」。ブログを見る限りキョーコの思い人である「敦賀蓮(つるがれん)」とも共演したことがある。
森住一族は芸能界の関係者にあまねく幅を利かせており、仁子もその関連で幾つかの作品で出ており、蓮との共演も父がプロデューサーだった作品だ。
調べて見ると泥中の蓮も監督が森住だった。出来レース
タレント部に所属しているキョーコには臨時として、オーディションの間、蓮のマネージャーである「社倖一(やしろゆきひと)」がマネージャーをすることになった。
社に連れられて行ったオーディション会場で、いきなり、プロデューサーの呉前に帰れと言われる。

第41巻では呉前プロデューサーに引導を渡されたが、素直に帰らず自分が行ってきた「役作り」だけでも見て欲しいと乗り込むところから始まる。
完璧な紅葉役を披露するキョーコに敗者復活を言い渡す呉前だが、キョーコがサラブレットである女優でなくタレント、しかもラブミー部とかいうふざけた名前の部署だと知るとタレントは使わないと断言してきたプロデューサーとしての矜恃に葛藤する。
そのため、急きょ殺陣を演じてもらうことにする。
複雑な殺陣をいちどで覚えろと言われるが、何故かキョーコは前半だけ見て後半は目を瞑ってしまう。
開始される殺陣。
キョーコは目を瞑っていたところから攻撃に切り替える。
複雑な動きはプロである者達に任せてしまえば良い。
演技が終わり呉前に殺陣とは何かと聞かれ、
時代劇における殺陣とは、
時代劇における必要不可欠な様式美で有り、日本の心に根付くあらゆる伝統芸能に通じるもの。
そして、
時代劇の物語上、正義側を「斬り手」とするなら「斬られ手」の高い技術と身体技能があってこそ斬り手が輝くことができる、斬り手と斬られ手の両者が作り上げるものだと答える。

第42巻では、殺陣によって紅葉役をほぼ手中にしたキョーコ。しかし、殺陣の演技だけでは納得しない仁子に呉前は千鳥の最終審査で相手役を務めることによって巻き返すよう言ってのける。
演技前、仁子の巧妙な心理操作(蓮との関係。バレンタインのお返しがキョーコに無かったこと)によって集中を欠いてしまう。
呉前に指示されたシーンを聞き逃してしまうキョーコ。
最初の相手役だった奏江の機転によってなんとか切り抜けることに成功する。
幕間、絵梨花の付き人によって明かされる仁子の凶悪性。
スキップ・ビートはどんな悪役でもいい人になっていくのだが、今回はどうなのだろうか?
キョーコの演技を影で見ていたことを呉前に告白し、不戦敗を決める仁子。
どうやら何か企んでいるみたいだ。
紅葉がキョーコに決まり、千鳥を最終的に決める審査が始まる。
朝比奈(女優)と奏江の最終審査が始まる。

第43巻。
最終審査で奏江は千鳥役を逸してしまう。どう接触して良いか迷うキョーコ。
電話にもメールにも応答しない奏江。
そんなとき、
トイレから出てきたキョーコは薬を嗅がされ、思うように動けなくなったところを仁子とそのマネージャーによって拉致されてしまう。
欄干から落とされそうになるキョーコ。
しかし、突き落とされる直前に向かいのビルから多くのフラッシュがたかれる。
危機一髪、社が駆けつけるが、仁子とマネージャーはしらを切り通そうとするだけで無く、社を逆に攻撃し始めた。
「証拠ならある。」
高園寺絵梨花があらゆる角度から撮影したビデオを証拠として仁子の前に突きつける。
仁子が芸能界から引退することを約束するらしいが、そのシーンは描かれていない。
仲村佳樹先生の行動から類推するにもう一悶着ありそうだ。
千鳥役に落選してしまった奏江だが、呉前から別の役をやってみないかと誘われていたらしい。

個人的には毎回新刊が出るのを心待ちにしている「推し」の作品なのだが、第39巻から第43巻までの間に、蓮が帰国してキョーコが所属するLMEの社長、女優、男優等とのやり取りやキョーコの幼なじみで母親との確執のなかで重要?な役割をする「不破尚(ふわしょう)」の話もチラホラ出てくるのでシリーズを最初から読んでいない人には判りづらいかもしれない。
今度、第1巻からの書評を書いてみたいと思う。