50歳からのアニメ

国際化したアニメを昭和世代から再評価してみます。

ラノベ「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 第14巻」を読む(ネタばれ有り)

「ふぅ〜っ。やっと一区切り付いたぁ〜」
これが読後の感想である。

新しい(複雑化する)ダンジョンの階層、続々と出てくる新しいモンスター、混迷する(もどかしすぎる)心理描写・・・
話は第12巻に遡る。
第12巻で主人公ベル・クラネルはLv.4へレベルアップを果たし、彼の所属するヘスティアファミリアもランクアップする。
ランクアップしたことによってギルドから課せられる強制任務(ミッション)で下層(25階層以下)へ「遠征(ヘスティア以外に二柱の派閥が混成する連合チーム)」へと旅立ったファミリアをいきなり強化種のモンスター「モス・ヒュージ」が襲う。
強化種に襲われて負傷したエルフやドワーフを助けたり、異端児(ゼノス)の人魚に救われたり、何とか強化種を倒して18階層の「リヴィラの街」へ戻ってきたヘスティア・ファミリアを待ち構えていたのは彼らが世話になっているエルフの元冒険者疾風のリュー・リオンが殺人事件をおこしたという情報だった。

第13巻で疾風への討伐隊が組織され、リューを救うためにヘスティア・ファミリアのメンバーもそれに同行することが決まる。
リューをはめたのは闇派閥ルドラ・ファミリアの生き残りだったのだが、5年前リューの属していたアストレア・ファミリアを全滅させたモンスター「ジャガーノート」を再び呼び寄せることに成功する。
27階層で50名を超える冒険者が惨殺される。
ベルも右腕を失い、殆ど死ぬ目に遭うが再び異端児の人魚「マリィ」に助けられ、ジャガーノートに一矢を報いる。
しかし、ルドラ・ファミリアの生き残りに操られたワーム・ウェールという階層間を移動するモンスターに食われてしまったベルとリューは37階層へと連れて行かれてしまう。
下層より過酷な深層。

第14巻では、この37階層での冒険と、37階層へ落ちてしまったベルとリューを救うべく、ウラノス(ギルド)が派遣した異端児のグルーブとヘスティアが派遣した椿のグルーブが25階層でイレギュラーで発生した階層主との戦いで傷ついている遠征チームの活躍が描かれている。
ベル抜きで階層主を倒すファミリアメンバーの成長もよく描かれている。
サポーターとしてベルと最初に組んだリリルカの指揮官としての役割、2番目に組んだ鍛冶師のヴェルフはダンジョン内での死地で壊れない魔剣を作り出し、春姫はレベル上げの連続詠唱を習得する。
命の新技等挙げれば切りが無いくらい様々な人々の成長がこの巻でも描かれている。

この12巻〜14巻ではベルの思い人であるアイズは出てこない。
しかし、かつてロキ・ファミリアの遠征に同行した椿は、あまり活躍をしていないように描かれているのだが、ヘスティア・ファミリアと合流した椿は頼もしく描かれていることから、相対的にアイズとベルの力には大きな開きがあることが判る。
14巻の終わりではリューがベルに恋したことが判る描写があるのだが、今まで描かれていた彼女の親友であるシルへの配慮(気遣い)が今回は全く出てこない。
その辺も含めて今後の展開が楽しみだ。