50歳からのアニメ

国際化したアニメを昭和世代から再評価してみます。

ラノベ「りゅうおうのおしごと 第九巻」を読む。(ネタばれ有り)

「りゅうおうのおしごと」第九巻は2018年08月09日に発売された。
本巻では女流棋士女王戦五番勝負での
浪速の白雪姫 空銀子(そらぎんこ)

神戸のシンデレラ 夜叉神天衣(やしゃじんあい)
の戦いがメインとなってる。

プロローグは天衣の付き人?的な存在の晶さんの心の声で始まる。
いや、一度読んだだけじゃ気がつかなかったんだが、二度読むと九頭竜竜王が天衣に師匠としての戦い方を見せるシーンの伏線になっていたことが分かる。

話は女王戦とは全く関係の無い捌きの巨匠こと生石充(いこまみつる)王将がタイトル戦で於鬼頭曜(おきとよう)帝位に負けかけている所から始まる。

その戦いの裏で、
マイナビ女子オープン挑戦者決定戦で夜叉神天衣が供御飯万智(くぐいまち)山城桜花に勝利するシーンが流れる。
若干10歳にして女流二段そして、史上最年少女流タイトルホルダー空銀子に挑戦する権利を得たのだ。

しかし、銀子はタイトル戦の日程を決めるに当たって露骨に天衣を格下扱いにする。
自分の奨励会三段リーグ戦を想定し、出来るだけ早く女王戦を終わらせること、
つまり3日間で終わらせる意思を示す。

九頭竜八一(くずりゅうやいち)竜王は、もうひとりの弟子雛鶴あい(ひなづるあい)のため、この女流戦を出来るだけ近くで見られるよう記録係として参加できるよう連盟にかけ合うが「同門縛り」規制の壁で実現しない。しかし、連盟は「あい」に観戦記者としての参加を許可する。

第一線に思わぬ反則負けを強いられた天衣。
第二戦もなすすべも無く敗退し、あとが無くなった天衣に師匠である八一が大事な公式戦で天衣のための将棋を指す。
かつてタイトル戦で弟子にもらった勇気を返すために。

女王戦第三戦は天衣の後手で始まるが奇襲により、銀子を千日手に誘い込み先手を得る。
そうして天衣が先手で始まったやり直しの第三戦は、天衣が終始優勢で進め誰もが天衣の勝利を見こしていたのだが、銀子の一手が起死回生の場面を作り出す。
「来なさい」
「踊ってあげる」
銀子の実力は無敗の白雪姫の名の通り圧倒的だった。
銀子は自分が味あわされた屈辱の千日手へと天衣を誘導する。
天衣はそれを拒否する。
挑戦者だから。

結局三戦全勝で銀子の勝ちが決まる。

負けを両親の墓前に報告した後、
天衣は亡き両親と師匠が自分の棋風の中にあることを知る。

久し振りのJS研のあと関西将棋会館のレストランで、天衣はあいに八一争奪戦に参加することを伝える。

小学生が恋愛脳の物語を紡いでいる脇で
空銀子が新進奨励会騎士三段での戦いに静かに燃える。

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白鳥士郎先生の作品は読みやすくて良いです。
ブログは概要をシリアス調でまとめてみましたが、中味はドタバタ、ロリコン、セーラー服と笑い所、ツッコミ所満載で、あっという間に読み終えてしまいます。文字の苦手な人にもお勧めできる作品です。